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大手5行、住宅ローン「10年固定型」金利を一斉引き上げ…変動型も4月以降に上昇か

出典:讀賣新聞オンライン

大手銀行5行は28日、3月から適用する住宅ローン金利を発表した。5行とも長期金利に連動する固定型(期間10年)の基準金利を上げ、年3・85~4・45%とした。三菱UFJや三井住友など3行では発足以来の高水準だ。短期金利に連動する変動型も4月から上がり、ローン契約者の利払い負担が重くなる見込みだ。(佐藤寛之、池下祐磨)

日銀の政策影響

 固定型の上げ幅は0・14~0・21%だった。各行は借り手の信用度に応じ、基準金利より低い優遇金利を適用することが多い。最優遇金利は年1・610~2・150%となった。引き上げ後の金利は、新規に申し込む人に適用され、すでにローンを組んでいる人には影響しない。

 5行が一斉に固定型を引き上げたのは、足元の長期金利の上昇傾向を反映するためだ。21日の東京債券市場では、長期金利の代表的な指標となる新発10年物国債の流通利回りが一時、1・455%まで上昇(債券価格は下落)し、15年3か月ぶりの高水準をつけた。

 長期金利が上がっているのは、基調的な物価が上昇傾向をたどる中、日本銀行が早期の追加利上げに踏み切るとの観測が出ているためだ。日銀の利上げが短期金利に影響を与える一方、短期金利の推移の長期予測によって動く長期金利も先高感が強まっている。

8割が「変動型」利用

 住宅ローン契約者の約8割が利用する変動型の基準金利は、5行とも据え置き、年2・475~2・625%とした。最優遇金利は0・345~0・625%となる。

 変動型の基準金利は、企業に短期資金を貸し出す際の金利指標「短期プライムレート(短プラ)」に連動することが多く、1月の日銀の追加利上げを受け、各行は3月中に短プラを引き上げると発表した。基準金利は4月と10月に見直す銀行が多く、新たにローンを組む場合は4月から、既に借りている場合は6、7月頃から上がる見込みだ。

「フラット35」1割増

 日銀がどこまで利上げを進めるのか十分に見通せない中、固定型への注目度が高まりつつある。金利を最長35年固定する住宅ローン「フラット35」を主に扱うSBIアルヒでは、昨年10~12月期のフラット35の申込件数が7~9月期と比べ1割以上増えた。

 固定型は変動型よりも金利が高いが、現在0・5%程度の政策金利が1・5%まで上がると、変動型は1・75%程度まで上昇する可能性がある。ファイナンシャルプランナーの八木陽子氏は「まだ変動型が人気だが、金利上昇に用心する人が増えてきた。借り換えや繰り上げ返済という選択肢もある」と指摘した。