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- またトラ 米トランプ大統領になったら日本の不動産市場・住宅ローン金利はどうなる?(下がる?上がる?)住まい・住み替えや経済への影響は?
またトラ 米トランプ大統領になったら日本の不動産市場・住宅ローン金利はどうなる?(下がる?上がる?)住まい・住み替えや経済への影響は?
出典:GRO・BEL ラボ2024年11月6日(日本時間)から行われている米大統領選挙の開票で、共和党のドナルド・トランプ氏の次期大統領当選が確実視されています。
トランプ氏は前回(在任2017年~2021年)に続き、2期目の大統領就任が迫っています。
実は、前回の任期中も、トランプ大統領の政策は日本の不動産市場に影響を与えました。
今回は、過去のトランプ政権で、不動産価格や住宅ローン金利などに対して、どのような影響が日本にあったのか、今後の政策でどう変わるのかについて解説していきます。
1期目のトランプ政権(2017~2021年)が日本の不動産市場に与えた影響とは?
まず、1期目のトランプ政権がアメリカ国内の不動産市場に与えた影響について解説します。
第1期トランプ政権
- 減税・雇用法(トランプ減税)により個人所得税が軽減され、特に富裕者層が所得増の恩恵を得た。これにより、富裕層を中心に投資熱が高まった
- 土地利用や環境に関する規制緩和により、商業不動産や不動産開発分野の取引や事業が活性化した
- トランプ政権初期にFRBは利上げを続け、住宅ローン金利が上昇した。一方で後期はコロナ禍に対処するため、FRBは金利を引き下げて中古住宅の売買が活性化した
- 堅調な経済成長+低金利・減税の影響により、都市部・郊外の住宅市場が活発化した。
- アジアや中東の富裕層が、アメリカ国内の法人税減税の影響を受けて、アメリカの不動産への投資を活発化させた
- 中国などとの貿易摩擦により、一部の輸入建材や人件費の価格が高騰した
トランプ政権下でおこなわれた国内の不動産やローン金利に関する施策は、上記の通りとなります。
総合的に見るとトランプ政権下では減税・ローン低金利の影響で不動産市場は活性化し、住宅価格が高騰しました。一方で、これにより低所得者層を中心に住宅に手を出せないという問題も発生しました。
また、日本でも、この期間中はマイナス金利政策による住宅ローンの低金利推移や景気の好調推移、人件費や資材輸入の高騰により、市場の活性化や地価の高騰、マンション価格の高騰が同じように起こりました。
これに関しては、間接的にアメリカの政策が日本に影響したとも考えられます。
第2期トランプ政権で日本の不動産市場はどうなる?
第1期トランプ政権後に立ったバイデン政権は、基本的に住宅価格抑制・住宅供給の促進を基本軸に政策を進めました。
バイデン政権
- 低金利政策により住宅購入需要が高まったが、その後にインフレ対応目的の金利引き上げにより住宅ローン金利が上昇した
- 低所得者向けの住宅供給を増やして、住宅の建設・改修支援のための補助金制度などを拡大した
- 若者・マイノリティ層などを想定した住宅取得の補助金・減税制度を導入した
- 家賃の引き上げ上限を実質的に5%に制限するなど、家賃上昇の抑制をおこなった
上記が、バイデン大統領が実施した主な不動産・住宅関連の政策となります。特に住宅ローンの金利引き上げへの影響は大きく、こうした政策は高騰した住宅市場を抑制する目的がありましたが、トランプ政権は下記のような政策を再び実施していくのではないかと考えられます。
- 個人・企業に対する減税措置の実施
- 金融規制緩和の再実施
- バイデン政権がおこなった低所得者向けの住宅供給や家賃抑制政策を縮小させる
こうした政策が再び日本へ間接的に影響する可能性もありますが、一方で日本では2024年3月にマイナス金利政策の解除を発表したことにより、住宅ローン金利が今後上昇推移を見せるのではないかと言われています。
日本国内での金融緩和の再実施はその時の政権がどのような政策方針かに拠るところも大きいので、トランプ大統領の政策がそのまま影響するかは一概には言えません。
もっとも、トランプ氏の政策スタンスは金融緩和の促進となっていますが、現在のFRBはインフレ政策も重視しているため、どこまで応じるかは現時点では分からないというのが実情です。
もしアメリカが再び金融緩和となれば、円安ドル高が進み、インフレ圧力が高まることで不動産・住宅市場以外にも大きな影響を受けるのは間違いないでしょう。
第1次トランプ政権との状況の違いがどう政策に影響するかがカギ
項目 | 第1次トランプ政権 | 第2次トランプ政権(見通し) | ||
---|---|---|---|---|
アメリカ | 日本 | アメリカ | 日本 | |
インフレ状況 | 安定的なインフレ状況 | デフレ脱却のためのインフレ政策の実施 | 高いインフレ状況であり、抑制が優先課題 | 比較的安定しているが、アメリカの政策により影響を受ける可能性も |
金融緩和 | 上記背景から、景気を押し上げるために実施しやすい状況 | 上記目的のためのマイナス金利政策の実施 | 上記背景から、FRBが慎重になっている状況 | インフレ抑制のためのマイナス金利解除を実施(2024年) |
結論から言うと、第1次トランプ政権の時は日米ともに国内の状況が違うため、かつての政策スタンスがそのまま踏襲される訳ではありません。また、金利政策についてはFRBとの基調が必要なので、トランプ大統領のスタンスがそのまま政策に反映される訳では必ずしもありません。
どのような影響があるかについては、実際の政策の実施を見守る必要があるでしょう。