住宅ローン控除は12月に入居した場合どうなる?
住宅を取得したときに必ず利用したいのが住宅ローン控除制度です。この制度を使えば毎年支払う所得税や住民税が一定の割合で控除されます。では、住宅ローン控除はどれくらいの期間受けられ、どのくらいの額の控除を受けられるのか紹介していきます。
住宅ローン控除の控除率と控除期間
2022年度の税制改正により、住宅ローン控除は一部要件を変更し、2025年まで延長されることになりました。つまり、2025年12月31日までに入居した場合に住宅ローン控除を受けられるということです。
控除率は「0.7%」となり、年末の住宅ローン残高の0.7%が所得税から控除される仕組みです。所得税から控除しきれない分は住民税から控除されます。2021年までは控除率が1%だったので、今回の税制改正で縮小されたと見ることができるでしょう。
12月入居の方が、住宅ローン控除額が多くなる
住宅ローン控除について検討するときに押さえておきたいのが「入居時期」です。住宅ローン控除の適用要件には「新築または取得の日から6ヶ月以内に居住の用に供し、適用を受ける各年の12月31日まで引き続いて住んでいること」とあるからです。遅いと適用されない場合があります。
また、住宅ローン控除は「年末の住宅ローン残高」を基に控除額を計算します。そのため、購入が同時期だったのに入居が年変りとなると控除額が変わってきます。たとえば、翌年1月に入居するよりも、年内の12月に入居したほうが控除額は高くなるというわけです。
住宅ローン控除の適用条件
住宅ローン控除の適用条件は、新築物件や中古物件によって異なることも知っておきましょう。ここでは、それぞれにおける主な適用条件をご紹介します。
新築物件・買取再販物件の場合
・物件を取得、または新築した日から6ヶ月以内に居住して、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること。
・住宅ローン控除を受ける年の所得額が2,000万円以下であること。
・住宅の床面積が50m2以上、かつ床面積の2分の1以上が居住用であること。ただし、2023年までに建築確認を受けた場合は40m2以上で適用。その際の所得額は1,000万円以下であること。
・住宅ローンの返済期間が10年以上あること。
中古物件・リフォームの場合
・1982(昭和57)年以降に建築された住宅であること(新耐震基準適合住宅)
・住宅ローンの返済期間が10年以上あること。
・贈与されていないこと。
・生計を一にする親族などから取得していないこと。
・物件を取得、または新築した日から6ヶ月以内に居住して、適用を受ける各年の12月31日まで引き続き住んでいること。
・住宅ローン控除を受ける年の所得額が2,000万円以下であること。
・住宅の床面積が50m2以上、かつ床面積の2分の1以上が居住用であること。
住宅ローン控除の申請手続き方法と期限
住宅ローン控除の申請は、給与所得者の場合、1年目と2年目以降で異なります。1年目は確定申告時に税務署に必要書類を提出して申請することになりますが、2年目からは会社の年末調整で対応できます。一方で、自営業者は1年目と同じく毎年確定申告時に申請することになります。
確定申告の方法にはいくつかあり、居住地域を管轄する税務署に出向いて手続きするほか、書類をそろえて郵送する方法もあります。なお、事前準備が必要ですがインターネット上での確定申告も可能です。
確定申告は年によって前後することはあるものの、おおむね毎年2月16日〜3月15日となっています。サラリーマンなどの給与所得者が2年目以降住宅ローン控除の申請をするときには、会社の年末調整が始まりだす前年の11月、12月くらいが申請期限です。
初年度に必要な書類
・確定申告書(A)
確定申告をするための書類です。確定申告書には種類がありますが、会社員ならば(A)を使います。
・源泉徴収票(会社員の場合)
勤務先から発行されます。
・本人確認書類
a、bのいずれかを用意します。
a)マイナンバーカード
b)マイナンバー通知カードまたはマイナンバーが記載されている住民票。これに加えて、運転免許証やパスポートなどの本人確認書類
・住民票の写し
居住していることを示すために必要となります。
・(特定増改築等)住宅借入金等特別控除額の計算明細書
住宅の面積や購入額などを記入して、控除を受ける金額を算出するための書類です。税務署や国税庁ホームページからダウンロードして自分で記入します。
・住宅取得資金に係る借入金の年末残高等証明書
ローンの残高が記載されている書類です。借り入れしている金融機関に送付してもらいます。
・土地・建物の登記事項証明書
法務局で発行される土地や建物の情報が記載された証明書です。
登記所または法務局証明サービスセンターの窓口で交付請求、郵送による交付請求やインターネットでのオンラインによる交付請求を行うこともできます。
・請負契約書の写し・売買契約書の写し
住宅を建築・購入したときに交わした契約書のコピーです。捺印した控えが手元にあるはずなので、そのコピーを取りましょう。
<その他>
・中古住宅(1981(昭和56)年12月31日以前に建築された住宅)の場合
耐震基準適合証明書、または既存住宅売買瑕疵担保責任保険の付保証明書など
中古住宅で耐震基準を満たす証明が必要な場合に用意します。
・優良物件などの場合
認定長期優良住宅や認定低炭素住宅の認定通知書の写し
長期優良住宅や低炭素住宅の認定を受けた場合に必要です。
2年目以降に必要となる書類
・借入金の年末残高証明書
・特定増改築等住宅借入金等特別控除申告書兼証明書
(税務署から送られてくる)
・住宅ローン控除申告書
(年末調整時に必要で、会社で入手する)
所得税や住民税が節税できる住宅ローン控除を上手に活用しよう
所得税や住民税が節税できる住宅ローン控除。住宅を取得したのなら、使わない手はありません。初年度の申告はやや手間がかかりますが、2年目以降は手続きも簡素化されます。住宅ローン控除制度の内容が変更になることもあるため、活用する際は必ず国税庁の最新情報をチェックすることが重要です。
住宅ローン返済に困ったら速やかに専門家に相談しましょう
本記事では、住宅ローン滞納時の相談先や滞納すると生じる問題について解説していきました。住宅ローンを滞納した際や払えなくなりそうになった際にどのような行動をとり対処すれば良いのかわかったのではないでしょうか。
改めて確認すると住宅ローンの支払いが困難になった時には、直ちに専門家へ相談してください。滞納期間が続くとデメリットが多く、さらに支払い困難になる可能性があります。
専門家に相談することで返済額の軽減や返済期間の延長など対応策が見つかるでしょう。