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任意売却は滞納なしでもできる?任意売却の流れやローンを滞納するデメリットも紹介!

一般的に任意売却の前提として、住宅ローンの滞納があります。そのため、原則滞納なしでの任意売却は認められません。しかし、例外的に認められるケースがあるのも事実です。そこでこの記事では、住宅ローン滞納なしでの任意売却が難しい理由をはじめ、手続きの流れや滞納した場合のデメリットを紹介します。
任意売却の注意点をしっかり理解して、状況に合わせて適切な判断をしましょう。

任意売却は滞納なしでは基本的にできない

基本的に住宅ローンの滞納がない場合、任意売却の手続きはできません。なぜなら、任意売却の目的は、住宅ローンの滞納による競売を避けることにあるためです。ここでは、なぜ滞納なしで任意売却が困難なのか、解説していきましょう。

滞納なしで任意売却を利用するのが難しい理由

ほとんどの住宅ローンは、当時の返済能力をもとに組まれます。滞納していないのに任意売却するのは、融資した金融機関に損失が発生する可能性大のため、合意を得られにくいのです。理由は3つあります。

・銀行が金利を回収できなくなる
・期限の利益の喪失が必要となる
・保証会社が債券を持っている

それぞれ説明していきます。

銀行が金利を回収できなくなるため

ローンを滞納していないのに任意売却すると、銀行は融資した分の金利を回収できなくなります。銀行の主な収入源は、融資による金利です。収入が見込めるはずの金利手数料が減るので、銀行の立場としては金利を回収できず、担保を失うリスクが発生します。こうした背景から、銀行が任意売却に合意するのは困難と言われているのです。

「期限の利益の喪失」が必要となるから

任意売却するには、「期限の利益の喪失」が必要になります。「期限の利益」とは、ローンを分割返済できる権利のことです。滞納によってこの権利を失うと、一括返済しなければなりません。一括返済できるだけの資金があれば話は別ですが、そうでないケースが多いでしょう。

債権を持っているのは保証会社だから

銀行は、住宅ローンを組む際に保証会社と契約していることがほとんどです。その場合に、期限の利益を喪失すると保証会社が債務者の住宅ローンを立て替え、銀行に一括返済します(代位弁済)。代位弁済により交渉の場が保証会社に移るので、銀行に任意売却の話をしても意味がないのです。

場合によっては任意売却ができることもある

場合によっては、例外的に債権者が任意売却を認めることがあります。滞納なしの状態でも、早めに任意売却した方が適切だと債権者が判断したケースです。その時は特別に抵当権を外し、手続きが可能になります。

任意売却の一般的な流れ

この章では、住宅ローンの滞納から任意売却までの一般的な流れを説明します。ただし、任意売却が成立するまでにかかる期間は、手続き状況などの諸事情により異なるため、参考としてくださいね。

不動産会社を選定し、相談・査定する

まずは任意売却のノウハウが豊富な不動産会社を選定します。任意売却を成功させる第一歩は、不動産会社選びといっても過言ではありません。なぜなら、任意売却の手続きには特殊なノウハウが必要になるためです。最適な業者に相談し、物件を査定してもらいましょう。

債権者(金融機関)から許可を得る

債権者(金融機関)から任意売却の許可を得るために、弁護士や行政書士などの専門家と出向き交渉します。状況によっては、代理人として専門家が単独で出向くケースも。なお、任意売却の交渉にあたっては、連帯保証人や共同名義人の同意が必要です。事前に両方からの同意を得ておきましょう。

任意売却を開始する

債権者の合意が得られたら、任意売却の手続きを開始します。売却活動は不動産会社だけでなく、売り主も積極的に協力しなければなりません。なるべく早く買い手がつくように、物件内外をきれいに維持する必要があります。

売買契約の締結をする

物件が購入されたら、不動産売買契約を締結します。これで任意売却は終了です。新居への引っ越しなどの費用は、債権者との交渉次第で売却代金の中からあててもらえる可能性があります。

不動産の決済と引渡しを行い、新居探し、引っ越しの準備をする

売買契約を締結したら、物件を引き渡します。引き渡し後の引越し先は事前に決めておくと、スムーズに新生活をスタートできます。慌てないように新居の準備も進めておきましょう。

残債務の返済を行いながら新生活をスタートする

新しい住環境での生活を開始するとともに、任意売却によって減額された残債務を計画的に返済していきます。ここで気をつけるべきことは、身の丈にあった無理のない生活を心がけ、完済することです。

ローンを滞納するデメリットは信用情報への傷や連帯保証人へ迷惑がかること

任意売却をしたいからと故意にローンを滞納すると、社会的な信用を失ってしまいます。一度ブラックリストがつけられると、さまざまな制約が発生します。ローンを滞納した場合のデメリットを見ていきましょう。

信用情報に事故の履歴(ブラックリスト)がつけられてしまう

一般的にローンの支払いを3ヶ月滞納すると、ブラックリストに約7年間記録されます。記録された期間は、新たにクレジットカードを作ったり、ローンを組んだりする際に審査が通りにくくなります。意図的な滞納は信用情報に傷がつくので、大きなリスクといえるでしょう。

ローンが引き落とされていた銀行口座が凍結される

ローンを滞納すると、銀行は債権回収のために口座を凍結します。さらに他の金融取引も制限されるため、生活に大きな影響が出ることも。住宅ローンだけでなく、車やショッピングローンの引き落としも制限されるので、その影響は計り知れません。

連帯保証人にも迷惑をかけてしまう

さらに、滞納は連帯保証人にも迷惑をかけることに。そもそも連帯保証人は、債務者が返済不能になった場合に債務を肩代わりする義務があります。責任が連帯保証人に及んでしまうと、状況によっては良好だった人間関係に大きなひびが入り、信頼関係を回復するのが難しくなるかもしれません。

任意売却ができないケースは合意が得られない場合や売却活動が行えない場合

任意売却は、銀行だけでなく名義人や連帯保証人の合意を得られないとできません。また、物件売却に係る諸活動を行う必要があります。ここでは、任意売却ができないケースを説明します。

金融機関が任意売却に合意しないケース

金融機関の合意がない場合は、任意売却を進められません。そもそも売買契約書に、任意売却を認めない旨記載する金融機関もあります。それだけ金融機関にとってはリスクを伴う手法のため、合意を得られにくいケースが多いでしょう。

名義人や連帯保証人が任意売却に合意しないケース

物件の名義人や連帯保証人が合意しないと、任意売却は不可です。複数で物件を保有している場合はそれぞれの合意が必要になるため、事前に準備を進めなければなりません。また連帯保証人が親族の場合であっても、関係性によっては難しいこともあります。

任意売却を行う時間に余裕がないケース

任意売却にかける時間が足りないと、スムーズな手続きができません。任意売却はさまざまなプロセスを必要とするため、それなりの時間を確保する必要があります。時間的余裕がなく競売が開始してしまうと、もう遅いのです。最低でも強制執行される前に、任意売却の手続きをするのが望ましいでしょう。

適切な売却活動が行われないケース

任意売却の成功には、適切な売却活動が欠かせません。物件の査定や宣伝をはじめ、買い手の購買意欲を引き立てるためには、売り手も協力する必要があります。物件の内外を掃除しきれいに保つことも大事な活動のひとつ。これらの活動が不十分と判断されたときは、任意売却が難しくなります。

本人確認ができないケース

所有者本人の確認ができないと、任意売却を進められません。任意売却は一般物件と同じ手法で売買されるので、本人の確認が必要です。所有者本人が病気療養や行方不明などで居場所が分からなかったり、必要書類が揃わなかったりすると、任意売却の手続きをスムーズに進めることができません。

住宅ローンを滞納しそうなときは早めに専門家へ相談をしよう

任意売却するには、住宅ローンを滞納することが前提です。ただし、その場合はブラックリストに掲載されたり、競売にかけられたりするリスクがあります。とはいえ、今後も現在の環境を維持できるという保証は、どこにもありません。もしこの先、滞納が発生しそうな事態になった場合は、放置せずに早めに専門家に相談しましょう。