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住宅ローンを滞納したら差し押さえられる?滞納後の流れや通知書についても解説

住宅ローンを滞納する理由はさまざまですが、うっかり支払いを忘れてしまうケースも少なくありません。滞納期間に応じて送られてくる通知書の内容や、差し押さえに至るまでの流れを理解しておくことが重要です。

本記事では、住宅ローンの滞納後に起こる一連の流れと、各段階で届く通知書の種類や内容について解説します。滞納に陥った場合の対応策についても触れていくのでぜひ参考にしてください。

住宅ローンを滞納したら最終的には不動産が差し押さえられ競売にかけられる

住宅ローン滞納の大きなリスクは、金融機関から督促状が届き、それを放置し続けると差し押さえの手続きが進められ、最終的には競売にかけられることです。
競売になれば、持ち家に住めなくなるだけでなく、売却代金を全額返済に充ててもまだ返済が残っている場合は、ローンの返済をし続けなければなりません。

住宅ローンを滞納する主なリスクはブラックリストに載ることと遅延損害金が発生すること

住宅ローンを滞納することには、さまざまなリスクが伴います。以下では住宅ローンを滞納した際に起こりうる主なリスクを紹介します。

ブラックリストに載り新たなローンが組みづらくなる

住宅ローンの支払いを一定期間以上延滞、または、複数回延滞をすると、信用情報機関が保有する「信用情報」に延滞情報や事故情報が登録され、いわゆるブラックリストに載ってしまいます。

事故情報が時間経過で消えるまでの長期間、ローンやクレジットカードの審査に通らなくなる可能性が高くなると言われています。ブラックリストに載ることは、将来的な経済活動に大きな制限を課すことになるため、住宅ローンの滞納は避けるべきでしょう。

滞納するごとに遅延損害金が発生する

住宅ローンを滞納すると、延滞した日数に応じて遅延損害金というペナルティーが発生します。滞納が1回〜2回程度であれば、遅延損害金はそれほど大きな金額になりませんが、そのまま滞納を続けると金融機関からローンの一括返済を求められ、遅延損害金が一気に高くなってしまうのです。滞納を続けるほど、遅延損害金の累積額も大きくなるため、できるだけ早期に滞納を解消することが重要です。

住宅ローン滞納後に届く通知書は主に7種類

住宅ローンを滞納すると、時間の経過とともに金融機関や裁判所からさまざまな通知書が届きます。それぞれの通知書の内容を正確に理解し、適切に対処することが重要です。滞納が長期化すると、競売へと進んでいくため、早い段階での対応が大切です。

督促状・催告書

住宅ローンの滞納が始まると、まず金融機関から「督促状」や「催告書」が届きます。これらの通知は、支払いの遅延を指摘し、期日までに滞納分を支払うよう求める内容です。滞納の初期段階では、金融機関は借主に自発的な支払いを促すにとどまりますが、滞納が長引くと、「期限の利益喪失」や「代位弁済」などの厳しい警告が記載されるようになります。

期限の利益喪失通知書

住宅ローンの滞納が続くと、分割払いする権利(期限の利益)を失うことになります。その事実を伝えるのが「期限の利益喪失通知書」です。この通知書には、期限の利益を喪失した旨が記載されています。

代位弁済通知書

期限の利益を喪失した後、保証会社が債務者に代わって金融機関に残債を返済した場合「代位弁済通知書」が届きます。この通知書が届くと、債権者は金融機関から保証会社に変更され、保証会社は残債を回収するため、住宅を競売にかける手続きを進めていきます。

競売開始決定通知書

競売の準備が始まると、裁判所から競売開始決定通知書が届きます。この通知書が届くと、数か月後には自宅が競売にかけられることになります。

現況調査通知

競売開始決定通知書が届いた後、裁判所から現況調査通知が送付されます。この通知書には、執行官が物件の状態や占有関係を調査するために訪問する日程が記載されています。
現況調査は、競売における売却基準価格を決定するために行われるもので、所有者の希望は考慮されません。執行官と不動産鑑定士が現地を訪れ、物件の写真撮影や周辺環境の調査、近隣への聞き込みなどを行います。

期間入札通知

現況調査が終了すると、裁判所から期間入札通知書が送付されます。この通知書には、入札の開始日と終了日、開札日などが記載されています。入札の最終日に最高価格を提示した落札者が決定し、落札者が代金を支払うと、物件の所有権が落札者に移ることになるのです。

住宅ローン滞納後の期間別に起こること

住宅ローンを滞納すると、滞納期間に応じて金融機関や裁判所からの対応が変化していきます。滞納者は、滞納期間に応じた適切な対応を取ることが重要です。

滞納から1か月~2か月:金融機関からお問い合わせがくる

住宅ローンの滞納が始まって1~2か月の間は、金融機関から問い合わせがきます。引き落とし予定日の翌日に確認の電話が入ったり、滞納期間や遅延損害金の情報が記載された支払請求書が届いたりします。支払いができる場合は、できるだけ速やかに滞納分を支払いましょう。返済の目処が立たない場合は速やかに金融機関に相談しましょう。

滞納から2か月~3か月:金融機関から「催告書」が届く

住宅ローンの滞納が2~3か月継続すると、金融機関から「催告書」という封書が送られてきます。催告書は、指定された期日までに滞納分を支払うよう求める督促状の一種です。支払請求書とは異なり、期日までに返済しない場合のペナルティーが記載されているのが特徴です。
例えば、ローン残債の一括返済を求めることや信用情報機関へ事故情報を登録することなどが記載されています。「返済しないと法律に則って厳しい対応を取る」という最後通牒のようなものです。

滞納から3か月~6か月:「期限の利益喪失通知」が届く

催告書に記載された期日を過ぎても滞納が続くと、「期限の利益喪失通知」と「代位弁済通知書」が届きます。期限の利益喪失通知は、分割払いを認める契約を取り消し、一括返済を求める通知です。この通知が届くと、本人だけでなく、保証会社や連帯保証人にもローンの一括返済が請求されます。
そして、「期限の利益喪失通知」の次に届くのは「代位弁済通知」です。保証会社がローンの一括請求を肩代わりしたことを示した通知です。代位弁済が行われ、保証会社が代わりに住宅ローンの残債を金融機関に支払ったとしても、それで問題が解決するわけではありません。今度は、金融機関ではなく保証会社に住宅ローンの残額や遅延損害金などの一括返済をする必要があります。

滞納から6か月~10か月:裁判所から「競売開始決定通知書」が届く

住宅ローンの滞納が6~10か月に及ぶ場合、金融機関は裁判所に競売の申立てを行います。申立てが認められると「競売開始決定通知」が届きます。これは、不動産を差し押さえ、競売手続きを開始したことを知らせる通知です。

滞納から12か月~16か月:競売が始まり「期間入札決定通知書」が届き強制退去を求められる

住宅ローンの滞納が12~16か月に及ぶと「期間入札決定通知書」が届き、まもなく入札が始まります。開札日を迎え競売の決済が完了すると、滞納者は物件から退去することを求められます。

競売を回避するためには返済期間の変更や任意売却を検討

住宅ローンの返済が困難になり、競売の危機に直面した場合、競売を回避するためにはいくつかの選択肢があります。以下で紹介する選択肢を検討し、状況に応じて適切な対応を取ることが重要です。

金融機関へ相談し支払い条件や期間などをリスケジュールする

住宅ローンの返済が難しくなったと感じたら、滞納する前に金融機関に相談することが大切です。滞納前であれば、返済期間の延長や金利の引き下げ交渉を受けてもらえる可能性があります。月々の返済額を減らせば、住宅を手放さずに済むかもしれません。また、ローンの借り換えも検討できるでしょう。
ただし、返済期間を延長すると、返済総額が増加してしまうというデメリットもあることを理解しておく必要があります。

任意売却をし売却益で住宅ローンを返済する

任意売却とは、金融機関の合意を得た上で、ローン滞納中の不動産を売却する方法です。任意売却を行うことで、競売にかけられるよりも相場価格に近い金額での売却が期待でき、売却代金を住宅ローンの返済に充てることで、残債の圧縮ができるかもしれません。また、強制的に立ち退きを命じられることもありません。競売にかけられる前に、任意売却ができるか金融機関へ相談しましょう。

住宅ローンを滞納してしまったら早めに対応しよう

住宅ローンの滞納は、督促状や催告書の送付から始まり、期限の利益喪失通知、競売開始決定通知、現況調査、期間入札を経て、最終的には強制退去に至ります。滞納期間が長引くほど、事態は深刻になっていきます。
滞納に陥った場合は、早期に金融機関に相談し、リスケジュールや任意売却などの対応策を検討することが重要です。差し押さえや競売を回避するためには、専門家のアドバイスを求めながら、速やかに行動しましょう。

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