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税金を払えない人でも任意売却はできるのか?任意売却を行う際にかかる税金も紹介

住宅ローンの返済や税金の滞納で自宅を手放さざるを得ない状況に陥った場合、任意売却を検討する人も多いでしょう。しかし、税金の滞納がある人でも任意売却は可能なのか分からない、また、任意売却を行う際にはどのような税金がかかるのか分からない、という方は多いのではないでしょうか。

本記事では、税金滞納者の任意売却の可否について解説するとともに、任意売却時に発生する税金についても紹介します。任意売却を考えている方は、ぜひ参考にしてください。

任意売却は税金を払えない人でも不動産が差押さえられていなければできる

税金の滞納があっても、不動産の差押さえが行われていない場合は、任意売却を行えます。ただし、滞納が続くと差し押さえのリスクがあるため、早めに金融機関や役所に相談し、可能な範囲で税金の支払いを行うことが重要です。もし、差し押さえが行われた場合、任意売却を行うには差し押さえを行った債権者との交渉が必要となり、差し押さえ登記を抹消しなければなりません。滞納金額が大きいほど、物件が差し押さえされる可能性が高くなります。

また、金融機関との交渉次第では、任意売却の売却代金から滞納税金の支払いに充てることが可能な場合があります。これは競売とは異なる任意売却の大きなメリットと言えるでしょう。任意売却後の生活再建のためにも、金融機関と相談し、ローン残債の返済計画とともに、滞納税金の返済についても交渉することが重要です。また、税金の滞納により不動産が差し押さえられている場合でも、売却代金から税金の支払いが可能であれば、差し押さえ解除の交渉がしやすくなることもあります。

任意売却を行うとかかる税金は主に4つ

任意売却を行う際には、主に4種類の税金が発生する可能性があります。

  • 譲渡所得税・住民税
  • 印紙税 ・登録免許税

それぞれの税金について解説していきます。

譲渡所得税・住民税:不動産を売却して利益が出た場合の税金と譲渡所得に基づいて課される税金

不動産を売却して利益が生じた場合、その利益に対して譲渡所得税が課されます。税額は売却益の金額によって変動します。また、譲渡所得税に加えて、譲渡所得に応じた住民税の支払いも必要です。

印紙税:不動産売買契約書に課される税金

不動産の売買契約書には、契約金額に応じた印紙を貼付し、印紙税を納める必要があります。印紙税の金額は、契約金額によって決まります。金額が大きくなるほど、印紙税も高くなる傾向にあります。

登録免許税:抵当権抹消費用として発生する税金

不動産に抵当権が設定されている場合、売却時に抵当権を抹消する必要があります。抵当権抹消の登記には、登録免許税が課されます。一般的に、手続きは司法書士に依頼することが多く、その際の費用も必要です。

譲渡所得税と住民税がかからない場合もある

不動産を売却する際、通常は上記で説明した「譲渡所得税・住民税」「印紙税」「登録免許税」が発生します。しかし、任意売却の場合、譲渡所得税や住民税がかからないケースが多くあります。売却益が出ない場合や、特別控除が適用された場合、強制換価等による特例が適用された場合などがその例です。以下では譲渡所得税と住民税がかからないケースを紹介します。

売却益がない場合

不動産の売却時に譲渡所得税が発生するのは、売却によって利益が生じた場合のみです。任意売却では、不動産の価値が下落しているケースが多く、売却益が生じないことが多いため譲渡所得税が発生しないケースがあるのです。(売却益とは、不動産の売却価格から取得費や譲渡費用を差し引いた金額のことを指します。)

売却代金を住宅ローンの返済に充てても、なお残債が残るような状況も珍しくありません。このように、売却益がない場合には、譲渡所得税や住民税は課税されません。売却価格だけではなく、売却によって得られた利益に着目してみましょう。

特別控除が適用された場合

自宅を売却して利益が出た場合でも、一定の要件を満たせば、「居住用財産を譲渡した場合の3,000万円の特別控除の特例」の適用を受けられる場合があります。この特例を利用すれば、売却益から最大3,000万円までの控除が可能となり、売却益がなくなることで譲渡所得税が発生しないことがあるのです。

ただし、特例の適用には、いくつかの要件を満たす必要があるため注意が必要です。例えば、住まなくなってから一定期間内に売却することや、親子や親族間などの取引ではないことなどがあります。また、投資用物件や会社の事業資産である場合や、生活の実態が確認できない場合は居住用物件とはみなされず、控除の対象外となります。

強制換価等による特例が適用された場合

任意売却や競売で自宅を手放す場合は、「強制換価等による特例」が認められる可能性があります。この特例は、資力を喪失し、債務の弁済が著しく困難な状況下で、特定の所得税を非課税とするものです。

そのため、ローンの返済が難しくなり、やむを得ず任意売却を選択した場合などに適用される可能性は高いでしょう。ただし、売却によって利益が生じた場合は、課税の対象となる点に注意が必要です。強制換価等による特例が適用されるかどうかは、個々のケースによって異なるため、専門家に相談することが重要です。

任意売却を成功させるコツは早めの相談と実績のある業者選び

任意売却を成功させるためには、住宅ローンの滞納が始まった早い段階で、専門家に相談することと、任意売却に強く、実績豊富な不動産会社を選ぶことが重要です。

住宅ローンを滞納している場合は早めに相談する

任意売却を検討する際、特に重要なのが早めの相談です。住宅ローンの滞納が続くと、最終的には競売に至ってしまう可能性があります。競売では売却価格が大幅に下がり、退去時期も選べないなどのデメリットがあるため、できるだけ避けたいものです。

任意売却を成立させるには、競売の開札日までに買主を見つける必要があり、そのためには物件情報の公開や内覧、価格交渉など、一定の時間が必要です。そのため、ローンの滞納が始まったら、できるだけ早い段階で不動産会社や金融機関に相談するようにしましょう。

任意売却に強く実績豊富な会社を選ぶ

任意売却では、通常の不動産売却に加えて、金融機関との交渉が重要なポイントとなります。残債務処理に関する知識や関連法律についての理解が求められるため、任意売却に特化した専門性の高い不動産会社に依頼することが有利です。任意売却の実績が豊富で、専用の窓口や担当者がいる会社を選ぶことで、スムーズな手続きが期待できます。

また、一社だけでなく、複数の業者から話を聞くことで、比較検討し、最適な選択ができるでしょう。任意売却は特殊な不動産取引であるため、専門家の知識と経験が成否を左右するといっても過言ではありません。

任意売却を成功させるためには早めの相談が大切

任意売却を成功させるためには、住宅ローンの滞納が始まった早い段階で、専門家に相談することが何より大切です。任意売却には期限があり、競売の開札日までに買主を見つけて売却を成立させなければなりません。

また、任意売却に強く、実績豊富な不動産会社を選ぶことも重要です。金融機関との交渉を円滑に進めるには、残債務処理や関連法律に詳しい専門家の力が必要不可欠だからです。できるだけ複数の会社に相談し、比較検討することで、信頼できる業者を見つけましょう。