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任意売却のメリット・デメリットとは?任意売却ができないケースについてもわかりやすく解説!

「任意売却」という言葉を一度は聞いたことがある方は多いと思います。

任意売却とは、住宅ローンの返済が困難になった場合に、金融機関などの債権者の合意を得て、通常の取引で住宅を販売し残りの債務を返済することです。

この記事では、任意売却のメリット・デメリット、また任意売却をしたくてもできないケースなどについてわかりやすく解説します。

任意売却のメリット・デメリット

任意売却とは、住宅ローンの滞納などによる理由で家が競売で処分される前に、債権者である銀行などの金融機関に同意を得て売却することです。任意売却の場合、競売に比べ高く売れることが多いため、債権者である金融機関にとっても債権をより回収できるといったメリットがあります。

このように、任意売却は債権者と債務者双方にとって多くのメリットがありますが、デメリットも存在します。ここでは、任意売却のメリット・デメリットについて説明します。

任意売却のメリットは新生活への負担や影響を軽減できる

任意売却を行う大きなメリットは、金銭面や精神的な部分で新生活への負担や影響を軽減できることです。

具体的には以下の4点です。

  • 市場相場に近い価格で売れる可能性がある
  • 周りに事情を知られずに売却できる
  • 住宅ローン返済の負担を減らせる
  • 売却条件に売主の意思を反映できる

順に説明します。

市場相場に近い価格で売れる可能性がある

任意売却は、競売に比べ高く市場相場に近い価格で売れる可能性があります。競売になれば、市場相場の5〜7割と非常に安い価格でしか売れません。
なぜならば、買い手側が内覧もできず裁判所で公開される写真だけを見て、事故物件的な扱いで入札されるからです。
競売を回避することにより、より高い価格で売却することでき、新しい生活の経済的な負担が軽減されます。

周りに事情を知られずに売却できる

任意売却を行うことで、物件所有者の事情が周りに知られずに売却できます。これは、販売方法が競売と異なり、通常の不動産取引と同様だからです。

競売では、競売情報として自宅の写真や所在地などが裁判所やインターネットで公表されます。競売となっている事実を知られてしまうだけでなく、当然所有者が経済的な苦境にあることもわかってしまいます。

任意売却は、知られたくない事情をまわりに知られてしまうというリスクを回避できます。

住宅ローン返済の負担を減らせる

任意売却は、市場相場に近い価格で売れる可能性が高いため、住宅ローン返済の負担を減らすことができます。
また、任意売却後に残債があっても金融機関との話し合いにより、収入などを加味した上での分割払いなど、無理のない返済計画を立ててもらえるケースも多いです。

売却条件に売主の意思を反映できる

任意売却は、売却条件に売主の意思を反映させることができます。
売却先や売却価格など、全て裁判所の決定に従わなければならない競売と比べ、売り主が売却の条件を通常の不動産取引と同様に決めることができるからです。

買主側の承諾次第で、好条件での売却を成立させることもできます。
また、リースバックを利用してそのまま今の家に住み続けることも可能になります。

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任意売却のデメリットは任意売却に失敗するリスクと将来へのリスク

逆にデメリットは任意売却に失敗するリスクと将来へのリスクがあるということです。

具体的には以下の4点です。

  • 任意売却できないケースがある
  • 任意売却後も住宅ローン残債の支払いは続く
  • ブラックリストに名前が載ってしまう
  • 期間を過ぎると競売にかけられてしまう

それぞれ説明します。

任意売却できないケースがある

デメリットの一つ目は、そもそも任意売却ができないケースがあることです。任意売却は債権者である金融機関の承認がなければ行えません。また、その他にも任意売却ができない場合があります。

任意売却が可能だと思い込んで手続きを進めた結果、承認されず競売にかけられてしまう可能性もあります。任意売却ができないケースがあることを理解しておくことは非常に重要です。

任意売却後も住宅ローン残債の支払いは続く

デメリットの二つ目は、任意売却を行っても住宅ローンの残債があれば支払いは続くということです。任意売却により、住宅ローンが完済できれば問題は無いのですが、多くの場合は残債が残ってしまいます。この残債を支払っていく義務は当然あります。

ブラックリストに名前が載ってしまう

三つ目のデメリットは、信用情報いわゆるブラッリストに名前が載ってしまうという点です。通常、住宅ローンを3か月以上滞納した場合は、ブラックリストに事故情報として記載されます。結果、5年〜7年間クレジットカードの作成やローンの新規申し込みが出来なくなってしまいます。
ただ、任意売却のデメリットというよりも、ローンを滞納することによりブラックリストに載ってしまうため、できれば滞納する前に不動産会社等に任意売却を含めた早めの相談をすることをおすすめします。

期間を過ぎると競売にかけられてしまう

デメリットの最後4点目は、任意売却の可能な期間を過ぎると競売にかけられるということです。
住宅ローンを滞納しているため、いずれ競売にかけられます。
状況にもよりますが、任意売却ができる期間は販売を開始してから最大1年が目安です。この期間に売却先が見つからないと、金融機関が裁判所に競売の申し立てを行い強制的に競売へかけられてしまいます。

競売が始まってしまえば任意売却はできなくなるため、早めに買い手を探し売却を終えなければなりません。

任意売却ができないケースは合意が得られない場合と十分な売却活動が行えない場合

任意売却のメリット・デメリットを理解したうえで、任意売却を希望してもできないというケースを紹介します。

任意売却ができないケースは以下の5点です。

  • 金融機関の合意が得られないケース
  • 名義人や連帯保証人の合意が得られないケース
  • 任意売却をするための時間の余裕がないケース
  • 内覧や情報公開が行えないケース
  • 所有者本人が手続きができないケース

順に見ていきましょう。

金融機関の合意が得られないケース

債権者である金融機関からの合意が得られなければ、任意売却ができません。
任意売却はリスクも大きく、可能な限り返済を続けてもらいたいと考えるのが一般的だからです。そのため銀行の方針として、もともと任意売却自体を認めていないケースもあります。
また、他に下記のようなケースでも金融機関は任意売却を承認しません。

・ローンの残高が多すぎる場合
・競売までの期日が残り少ない場合
・過去に金融機関とのトラブルがあった場合

上記のようなケースが当てはまる場合には、ローンの借り替えや親子・親族間売買、リースバックなど別の方法も模索する必要があります。

名義人や連帯保証人の合意が得られないケース

家の共有名義人や、連帯保証人全員の同意が得られない場合も任意売却はできません。
共有名義人は不動産の所有者であり、連帯保証人は住宅ローンの債務者だからです。

共有名義人や連帯保証人との関係が良好な場合は問題ありませんが、そうでない場合は難航して合意を得られないケースがあります。住宅ローンの支払いが困難となった場合には、速やかに共有名義人・連帯保証人に連絡をとり、胸襟を開いて事情を説明し同意を得ましょう。

任意売却をするための時間の余裕がないケース

任意売却をするための時間の余裕が無い場合にも、任意売却はうまくいきません。
任意売却には時間がかかります。売却するための時間に余裕がないと、良い条件で売却する可能性が低くなります。
結果的に、期限内に売却ができずタイムオーバーとなり、競売にかけられてしまうことになってしまいます。

内覧や情報公開が行えないケース

内覧や情報公開ができなければ、そもそも売却自体が困難です。任意売却は、一般の不動産取引と同じ方法で販売するため、内覧や物件の情報を開示するなどの重要事項説明が必要になります。
任意売却は、売主や家族が住んでいる間に購入希望者が内覧に来ることがほとんどです。
内覧等ができなければ、肝心の不動産の売却自体ができなくなる可能性が高くなるため、同居している家族全員の協力が必要です。

所有者本人が手続きができないケース

任意売却の手続きを進められるのは、家の所有者本人に限られます。そのため、所有者が事故や認知症などの病気で手続きを行えない場合は任意売却はできません。
所有者が自身で手続きを行えない場合には、成年後見制度に基づく代理人を決める必要があり、親の家を子どもが任意売却したい場合などが該当します。
こういったケースでは、時間的な猶予がないなどの理由でいずれ競売になってしまう可能性も高いため、早めに不動産会社などに相談することをおすすめします。

任意売却を成功させるポイントは早めの行動と業者選び

任意売却ができる期間は限られています。任意売却を成功させるポイントは早めの行動と業者選びにかかっています。

ポイントは下記の2点です。

  • 早めに相談・準備を進める
  • 経験と実績が豊富な会社・担当者を選ぶ

それぞれに見ていきましょう。

早めに相談・準備を進める

早めに金融機関や任意売却を依頼する会社に相談し、準備を進めることは任意売却を成功させるために欠かせません。
任意売却には時間がかかります。また任意売却ができる期間にも限りがあるため、速やかに行動を起こすことをおすすめします。

経験と実績が豊富な会社・担当者を選ぶ

任意売却を成功させるためには、経験豊富な会社・担当者を選ぶことが不可欠です。
なぜなら、任意売却の売却活動は裁判所の手続きを阻害しないよう、不動産売買の経験のほか、差し押さえや競売の知識が必要となるからです。

任意売却特有の手続き、関わる法律や絶対的な期限を熟知した会社・担当者、もしくは弁護士や司法書士と提携している経験豊かな不動産会社を選び早めに相談しましょう。

任意売却のメリット・デメリットを理解して早めに行動をしよう

任意売却についてメリット・デメリットを正しく理解すること、また任意売却自体ができないケースを把握することは何より重要です。今の自分の状況を顧みて、どう行動すべきかの的確な判断材料になるからです。

任意売却は、できないケースであれば他の方法を検討せざるを得ませんが、逆にできる環境であればチャレンジする価値は高いと思います。
そのためにも、任意売却が必要だと判断したら速やかに相談・準備をしましょう。早めに行動を起こすことは、任意売却を成功させるための秘訣です。

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