支出と不安が重なる2月
“まだ大丈夫”が一番危ない任意売却のタイミング
2月は、家計と心の両方が揺れやすい時期です。
一見、いつも通り生活しているようでも、数字を並べてみると「余裕が減っている現実」に気づく方が少なくありません。
なぜ2月は家計が苦しく感じやすいのか
■ 電気代やガス代など光熱費のピーク
2月は1年の中でも光熱費が最も高くなりやすい時期です。
暖房の使用時間が長くなり、電気代・ガス代は上昇。近年のエネルギー価格高騰も重なり、「去年より高い」と感じるご家庭も増えています。
本来は変動費のはずの光熱費が、実質的な固定負担になっているのが現実です。
■ 年末年始の出費の反動
帰省費用やお年玉、贈答品、外食など、年末年始は想像以上に出費がかさみます。
その請求が2月に集中し、クレジットカードの引き落とし額に驚くケースも少なくありません。「こんなに使ったつもりはない」
その感覚とともに、手元資金が一気に減るタイミングでもあります。
■ ボーナス後で貯蓄が減っているタイミング
住宅ローンをボーナス払い併用にしている場合、冬のボーナスで一時的に安心しても、その後の数か月が最も不安定になります。
ボーナスで補填した分、実は余裕資金は減っています。
「ボーナスがあるから大丈夫」という前提が崩れたとき、返済計画は一気に苦しくなります。
■ 確定申告で1年分の収支を見直す時期
確定申告は、1年分の収入と支出を数字で確認する機会です。
住宅ローン控除や医療費控除の確認を通じて、「思ったより残っていない」「貯蓄が増えていない」という現実に直面することもあります。
漠然とした不安が、はっきりとした数字になる。それが2月です。
「払えている」は「余裕がある」とは限らない
住宅ローンのご相談で多いのは、滞納が始まってからではありません。
・貯蓄を切り崩して返済している
・ボーナス払いに依存している
・カードの分割やリボ払いが増えている
・固定資産税の支払いが重いと感じる
こうした静かな圧迫が続いている段階です。
今は払えている。
しかし、その余裕は確実に削られています。
この状態こそが、最も危険なタイミングです。
滞納が始まると状況は一気に進む
住宅ローンは、1回の滞納をきっかけに流れが加速します。
督促状、催告、期限の利益喪失(一括請求)。
保証会社による代位弁済を経て、競売へ進む可能性もあります。
滞納後の任意売却は“時間との戦い”。
精神的な負担も大きく、選択肢は限られていきます。
しかし、滞納前であれば状況は大きく違います。
滞納前だからこそできること
■ 金融機関と冷静に話し合える
返済が止まっていない段階であれば、金融機関との関係はまだ通常の状態です。
状況説明や今後の方向性について、時間的余裕を持って協議できます。
滞納後のように強い督促の中で進めるのとは大きな差があります。
■ 市場のタイミングを見て売却できる
滞納後は期限が限られ、売却活動に十分な時間をかけられない場合があります。
滞納前であれば、市場動向を見ながら販売戦略を立てられます。
購入希望者が増える時期を狙うなど、より市場価格に近い売却を目指すことも可能です。
■ 引っ越し時期を調整できる
滞納が進むと退去時期の自由度は下がります。
しかし滞納前であれば、買主との調整により引き渡し時期の相談ができます。
お子さまの学期や仕事の都合など、生活への影響を抑えた計画が立てられます。
■ 生活再建の準備ができる
新居の確保、家計の立て直し、今後の収支バランスの見直し。
滞納前であれば、これらを同時進行で準備できます。
慌てて決断するのではなく、比較・検討しながら次の生活基盤を整えることができます。
時間があるということは、それだけで大きな力になります。
「まだ大丈夫」が一番危ない理由
人は本当に限界が来るまで動きにくいものです。
ですが、限界を迎えてからでは遅い。
選べる道は少なくなります。
「少し不安」
「このままでいいのか迷っている」
その感覚こそが、動くべきサインです。
まずは相談だけでも構いません
相談したからといって、必ず任意売却をする必要はありません。
・本当に危険な状態なのか
・まだ立て直せる可能性があるのか
・今動くべきかどうか
状況を整理するだけでも、不安の重さは変わります。
支出と不安が重なる2月。
だからこそ、「払えなくなってから」ではなく、
「不安を感じた今」向き合うことが大切です。
まだ大丈夫という言葉の裏にある小さな不安を、
そのままにしないこと。
それが、未来を守る第一歩になります。