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外国人オーナーによる賃上げ問題と私たちが取るべき対応

近年、日本の不動産市場における外国人投資家の参入が増加しており、その影響で一部地域では外国籍オーナーによる家賃の大幅な値上げが問題となっています。中でも注目を集めたのが、東京都板橋区や大阪市などで起きた「突然の家賃2倍・3倍要求」といった事例です。今回は、外国人オーナーによる賃上げ問題の実態と、それに対して入居者がどのように向き合うべきかをご紹介します。

 外国籍オーナーでも賃料の値上げは合法?

知っておくべきことは、日本では外国籍か日本人かに関係なく、不動産オーナーには同じ法律(借地借家法)が適用されるという点です。家主は正当な理由があれば、契約更新時などに賃料の改定を求めることが可能です。しかしその際には、借主の合意が必要であり、一方的な通知のみで値上げすることはできません。

民泊運用・空き家問題と賃上げの関係

民泊運用

外国人オーナーの中には、日本の不動産を投資対象として捉え、より高い収益を短期間で得ることを目的としているケースがあります。そうしたオーナーは、現行の賃料が市場価格より低いと判断した場合、家賃を一気に引き上げ、現入居者が退去することで、より高額な家賃を払える新しい借主や、民泊・シェアハウスなどの別用途に転用することを狙っている可能性があります。

特に民泊への転用は、1日単位で高単価の収益が得られるため、長期賃貸よりも収益性が高いと考えられています。外国人観光客の増加や東京・大阪など観光地での需要を背景に、賃貸住宅が民泊施設に転用される事例は少なくありません。その結果、入居者に退去を促し、物件を短期貸しに切り替えることが賃上げの裏にある動機の一つとなっているのです。

空き家問題

民泊運用同様に、空き家問題との関連も見逃せません。地方や都市部でも空き家が増加する中、オーナーが高収益を狙って強気な賃上げや転用を試みることで、かえって借り手がつかず空室化が進むリスクもあります。地域によっては、こうした動きが住宅市場の不安定化を招き、コミュニティの衰退にもつながりかねません。

また、海外では賃貸契約の自由度が高く、借主の保護が日本ほど強くない国も多いため、日本の借地借家法の厳格さを十分に理解しないまま、海外の感覚で賃料変更を試みてしまう場合もあります。

実際に起きたトラブル事例

問題となっているのは、こうしたルールが守られていないケースです。
たとえば、外国人オーナーが購入後すぐに「家賃を2.5倍に引き上げる」と通知し、説明も十分にないまま契約更新を迫る事例が発生しています。これにより、住民が退去せざるを得ない状況となったり、地域コミュニティに混乱が生じるケースもあります。

家賃値上げにどう対応すればいいのか? 

入居者として最も重要なのは、「値上げに合意しなければならない義務はない」ということを理解することです。
値上げ通知が届いても、まずは冷静に以下の点を確認しましょう。

  • 賃貸契約書に値上げの条件が記載されているか
  • 周辺の家賃相場と比較して適正な金額か
  • 書面での通知や説明があるか

そのうえで、納得できない場合は交渉を行い、それでも解決しない場合は専門家(不動産業者、弁護士、消費生活センターなど)に相談することをおすすめします。

まとめ

 日本の法律では、賃料の値上げはオーナーの権利である一方、それには「正当な理由」と「入居者の合意」が不可欠です。外国人オーナーであっても例外ではありません。私たち入居者は、必要以上に不安になることなく、情報を正しく把握し、冷静かつ適切に対応していくことが大切です。

もし賃料の値上げ通知を受け取った場合は、まずは事実確認と契約書の見直しを行い、不明点は早めに相談機関に問い合わせましょう。