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- 4月に変動金利が「2.875%」に上昇! 変動金利で「5000万円」の住宅ローンを組んでいるのですが、すぐに“固定金利”に乗り換えないと損をしてしまいますか?
4月に変動金利が「2.875%」に上昇! 変動金利で「5000万円」の住宅ローンを組んでいるのですが、すぐに“固定金利”に乗り換えないと損をしてしまいますか?
出典:Yahoo !JAPANニュース日本銀行のマイナス金利政策の解除以降、住宅ローン金利が徐々に上昇しています。
そのため、すでに固定金利の住宅ローンを契約した人はともかく、変動金利のローンを組んでいて「そのままにしていると損になる?」と不安を感じる人もいるのではないでしょうか。
本記事では2025年6月時点の最新の変動金利の状況と、変動金利の住宅ローンを組んでいる人が固定金利のローンに乗り換えるほうが良いのかについて解説します。
2025年4月から大手銀行の変動金利が2.875%に上昇
2025年4月から、主要銀行の変動金利の基準金利が2.875%に上昇しました。2025年3月までの住宅ローン変動貸出基準金利が2.625%だったところ、4月1日からは2.875%に改定するとそれぞれ発表しています。
住宅ローンの金利は、収入や物件などに応じて基準金利(店頭金利)から割引が行われたうえで決定されます。返済中も割引された優遇幅は変わりませんが、基準金利が上昇すると住宅ローンの金利が変動し、毎月の返済額に影響してくる可能性があります。
例えば、「住宅ローン借入額5000万円・返済期間35年・変動金利0.425%(店頭金利から割引された適用金利)」は、元利均等返済の場合、毎月の返済額は約12万8000円です。これが、金利が0.1%増加すると毎月返済額は約13万円となり、毎月約2000円が上乗せされます。
変動金利は2024年9月から徐々に上昇している
大手金融機関では過去の変動金利の金利水準を公表していますが、2009年から2024年9月までの間は、過去最低の「2.475%」で変動金利の基準金利が推移していました。
そして、2024年10月に基準金利が2.625%に上昇し、今回は2回目の利上げということになります。変動金利は「短期プライムレート」に連動しており、今回の基準金利の改定は短期プライムレートの上昇を受けてのものです。
日本銀行によると、2025年3月3日に、それまで1.625%だった短期プライムレートが1.875%に上昇しています。 これを受けて金融機関でも変動金利の基準金利が改定されました。変動金利は半年に1度のペースで見直されるため、これからも上昇する可能性はあるでしょう。
変動金利が上昇してもすぐに固定金利のローンに乗り換えなくても良い理由
2024年から徐々に変動金利が上昇していますが、慌てて固定金利に乗り換える必要はありません。なぜなら、変動金利の見直しで基準金利が上昇したとしても、多くの金融機関では「5年ルール」「125%ルール」を定めており、すぐに毎月の返済が増えるわけではないからです。
■5年ルール
5年ルールとは、変動金利が上昇しても5年間は毎月の返済金額が変わらないルールです。仮に今後の金利動向が大きな利上げに進んだとしても、個人の住宅ローンの返済額は、基本的に5年間は変わりません。
■125%ルール
125%ルールとは、返済金額が変動する場合、1回につき25%の上昇率を上限とするルールのことです。返済幅が25%以上の大幅な利上げがあったとしても、1回の返済額の上昇では25%アップまでが限度です。
■固定金利に慌てて乗り換える必要はない
変動金利が上昇したからといって、慌てて固定金利に乗り換えなくても良い理由を具体的な数字で確認してみます。固定金利を採用している住宅ローン「フラット35」の金利水準をみてみると、ある金融機関では2024年7月時点で1.84%でした(21年~35年ローン。機構団信加入)。
一方、同じ時期の変動金利型の住宅ローンをみてみると、0.425%(最低金利)でした。その差はじつに1.415%です。すでに2回ほど変動金利が上昇していて現在は0.925%ですが、それでもまだ0.915%の差があります。
0.915%の差が埋まるには、仮に0.25%ずつ利上げすると仮定すると、あと4回の利上げが必要であり、5年ルールもあることからすぐに返済金額が大きく変動することはありません。
ただし、ネット銀行など一部の金融機関では5年ルールや125%ルールを適用しない場合があります。これらのルールが適用されない金融機関では、利上げによってすぐに返済金額が増額になるリスクがあるため注意が必要です。
まとめ
昨今の金利上昇の流れを受けて変動金利も上昇の傾向にありますが、そのまま同じペースでずっと上がり続けるとは限りません。
125%ルールと5年ルールの存在から、金利が上昇しても実際に返済金額が上昇するにはまだ時間的な余裕があります。 借り換えには手数料が発生するため、手数料込みで固定金利に乗り換えたほうがお得になるか、慎重に見極めが必要でしょう。
出典 日本銀行 長・短期プライムレート(主要行)の推移 2001年以降
執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー